プロフェッショナル・利他に生きる弁護士


■セイギノミカタッテコンナノダロウナ

































■DVDを貸してくれた友人S田にセレクトしてもらったひとつ。

 それが宇都宮弁護士の回でした。

 いつものプロフェッショナルとは趣が異なり、

 まるでノンフィクション映画か何かを見ているような気分でした。

 素晴らしい人、そして素晴らしい編集だと思います。


■弁護士といえば、どうしてもお金をたくさんもらっているイメージがつきまといますが

 宇都宮弁護士はそういうイメージをブチ壊します。

 自分の事務所を抱えている弁護士、通称ボス弁でありながら、その給料は一般弁護士なみ。

 普通の考えからしたらおかしいこと。

 お金がたくさんもらえる仕事に手をつけるのではなく、

 他の弁護士が忌み嫌う多重債務処理などをされているのです。

 それらは大変なわりに報酬は少ない。

 少ない故にそれを多くやることで、とんとんで事務所を生計しています。

 何でそんな非合理的であり、常識では考えにくいことをされるのか。

 それは彼の弱者を助けたいという利他の精神によるものでしょう。


暴力団の資金源ともなっているサラ金はものすごい数存在していて、

 その違法な利子による貸し付けで苦しむ人はこれもまたたくさん存在しています。

 その取り立てはすさまじく、非人間的なまるで鬼のような罵声をあびせ、

 サラ金に手を出した人を脅かします。

 1件のサラ金会社だけならまだいいですが、一つの借金は多くのサラ金を引きよせ

 多い時には100に近い会社から数分おきに電話がくることもあるそうです。

 本人はもちろん家族全員がパニックになり、

 さらに悪質な取り立てではその近隣の人のところにも取り立てを迫る次第です。

 そういう日々が続くと眠れぬために目は充血、

 満足にご飯も食べれず頬はこけ、

 悲愴な顔になります。

 何とかしたいと思っても、普通の弁護士はなかなか相手にしてくれない。

 警察や行政ですらも「自業自得だ」とつっぱねる。

 しかし、行き場のない彼らを笑顔で迎えてくれるのが宇都宮弁護士なのです。


■日陰に強い彼らも、

 日なたに引っ張り出し、法律によって裁けば、

 元より違法なことをしている彼らも弱い。

 大丈夫だよ、と笑顔で彼らに優しく接し、1枚の書類を出し、

 取り立てを止める。

 おぞましいヤミ金との戦いの中でもいつも飄々と淡々と仕事をこなされる。

 普通では考えられない光景です。

 何のために働くか。

 お金はその理由じゃない、宇都宮弁護士はそう言います。


 他人のため

 弱者のため

 見放された人のために


 一生懸命働かれる。

 そもそも「弁護士」とはそういうものでないか、といわんばかりに。

 金のために生きる人間には味わえない

 救済の喜び

 を知っているのです。

 この喜びを知らない人が信じられない、どうしてそう思えないのか。

 不思議で仕方がないと彼は語ります。

 人は金のためや自分のためには強くなれない。

 他人を助けるという喜びが彼を前へ前へと進ませる力になっているのです。

 彼の言葉で特に印象的だったのが


 金は死んだら持っていけない。


 という言葉。

 仏教にも

 「いよいよ死ぬとなった時、かねてよりたよりにしてきた財産は何一つあてにならない。」

 といった内容がありますがそれと同じです。


 札束集める人生でいいのか

 そんなことであくせくするな。

 一体お前は何のために生きているんだ。


 そう問われているような気がしました。


【“知”の活用】


自分自分にという思いから、他人他人へという思いへシフトする。

相手が感情的になっている時にこそ、笑顔で飄々淡々と接する。