The teacher for you

■ニンゲンダケナンダトサ。























■この前の授業で面白いことを聞いた。

 それは発達心理学の授業だったのだが、

 虫や犬はおろかチンパンジーにすら出来ないことを

 人間は当たり前のようにしている。

 それは何か。


 教える


 ということだそうだ。

 他の生き物は学ぶことはあっても教えることはできない。

 ゴリラだってライオンだって餌の確保も親は教えない。

 彼らは見せる、それだけだ。

 それを子供たちは見て学ぶ。

 学ぶの語源が「真似(まね)ぶ」とはこういうところからきている。

 教えると学ぶとは、「水」と「油」のごとく違うとも言われた。

 なぜ人間だけが教えることができて、他の動物には不可能なのか。

 教えるためには

 相手の心理を理解できるキャパシティーが必要なのだ。

 同属意識を超えた深い共感。

 これは人間にしかできないことだろう。

 相手の視点を通して物事を見る、いわば思いやりの心。

 動物にはそんなperspectiveはもてない。

 そういった視点にたてる人間のみが、

 経験した相手から”教えてもらう”ことで未経験なりの経験をすることができる。

 考えてみれば不思議な話だ。


 どうやって生きようとも学ぶことと教えることは避けられない。

 幸せなことに両方とも好きな自分。

 学ぶことはまだまだ多く、

 教えられることは全然少ない。

 が、それでもこれらを繰り返していくつもりだ。

 この命の限りまで。